北京高裁知的財産廷が、WIPOによる「著作権金賞」を受賞
2010年11月18日、「WIPO著作権金賞(中国)」授賞式は、北京国家会議センターで盛大に開催された。北京市高級人民法院知的財産廷(中国において知財高裁はないが、実質知財高裁の役割を担っている)は、中国国家版権局の推薦とWIPOの認定を得て「保護賞」を受賞した。これは、中国法院として唯一の受賞だけではなく、我が国の司法体系として初めての受賞でもあった。
「WIPO著作権金賞」は、中国国家版権局とWIPOの協議で中国に導入された表彰制度であり、世界著作権分野で最高の栄誉でもある。今年の選出では、「作品賞」、「運用推進賞」及び「保護賞」を14個の受賞対象に与えた。「WIPO著作権金賞選出基準」の規定により、権利者のため積極的に権益を主張し、著作権保護に革新精神をもって長期的な問題を解決する、また、市場秩序の規範化と著作権保護の推進にも力を入れることができ、幅広く注目と好評を得られた個人又は組織は、「保護賞」の選考対象になる。
北京市高級法院知的財産廷は、中国でもっとも早く設立された知的財産専門裁判法廷であり、中国で最も多くの知的財産権事件を審理した高級法院知的財産権廷でもあると授賞理由をWIPOが述べた。同知的財産廷が審理した著作権事件は、文学、映画、コンピュータソフトウェアなどの各分野に係わり、そのうち「Yahoo中文ウェブサイト著作権事件」、Porsche建築作品著作権事件」など数多くの事件は、大きい反響を引き起こして高く評価されたと共に、中国における知的財産権保護の強化が表われた代表的な案件となった。同知的財産廷が案件を通じて確立した一連の裁判原則は、中国著作権法律制度の完備化に対し積極的な役割を果たしている。例えば、下級審への指導的な規定の制定、また「知的財産権典型判例」などシリーズ論文の執筆を通じて、全市の知的財産権裁判官に事件審理時の重要な法的根拠及び解釈を提示し、裁判基準の統一を図ることで、北京市における知的財産権司法保護をハイレベルに保つことができた。
Mr. Francis Gurry,WIPO副総幹事名義で、受賞証書にて「北京市高級人民法院知的財産権廷が、知財保護関係で著しく貢献をなされたので、WIPO表彰を与える」と書かれた。