新聞見出しは著作権の保護対象外、無断ネット配信めぐり豪で判決
オーストラリア連邦裁判所は2010年9月7日、新聞記事の見出しは著作権の保護対象にはならず、記事の見出しをインターネット上で配信する行為は著作権侵害にはあたらないとする判決を下した。
同事案は三年前に有力経済紙「オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー(AFR)」の発行元であるフェアファックス・メディアが、出版大手リード・エルスビアを訴えていたもの。フェアファックス側は、リード・エルスビアがAFR紙を含む複数ソースの記事の見出しと要約を無断で配信する同サービスによって著作権が侵害されたと主張した。
オーストラリア連邦裁判所は、原告フェアファックス・メディアが提供した10個の記事の見出しを審査した後、文学作品として著作権を享有できるものが1つもないと認め、文章と見出しを組み合わせて著作権が構成されることから、リード・エルスビアは、その中の主要な部分をコピーしていないと認め、フェアファックス側の訴えを退けた。
オーストラリア連邦裁判所の同判決は、伝統的な新聞雑誌業界やネットメディアに対し、かなり影響を及ぼしていると考えられる。