『最高人民法院の出願登録した医薬品の関連特許権紛争民事事件の審理への法律適用における若干の問題に関する規定』は、2021年5月24日に最高人民法院審理委員会が開催した第1839回の会議により通過され、2021年7月5日から施行するようにここに公布される。
最高人民法院
2021年7月4日
法律解釈[2021]第13号
最高人民法院
出願登録された医薬品の関連特許権紛争民事事件の審理への法律適用における若干の問題に関する規定
(2021年5月24日、最高人民法院審理委員会の第1839回の会議により通過され、2021年7月5日から施行される)
出願登録された医薬品の関連特許権紛争民事事件を正確に審理するために、本規定は、『中華人民共和国特許法』、『中華人民共和国民事訴訟法』などの関連法令に基づき、知的財産権審判の実務と結合して制定される。
第一条 当事者が特許法第七十六条の規定に基づき提起された確認は特許権の保護範囲紛争に属するか否かを確認する第一審事件は、北京市知的財産権法院に管轄される。
第二条 特許法第七十六条にいう関連特許とは、国務院の関連行政部門による医薬品の販売許可承認及び医薬品の販売許可申請段階における特許権紛争の解決に関する具体的な収斂措置(以下、収斂措置という)が適用される特許を指す。
特許法第七十六条にいう利害関係人とは、前項の特許の被許可者及び関連医薬品の販売許可権者をいう。
第三条 特許権者又は利害関係人が特許法第七十六条の規定により訴訟を提起する場合、民事訴訟法第百十九条第三項の規定に従い、次の資料を提出しなければならない:
(一)国務院の関連行政部門が収斂法に設けたプラットフォームに登録された関連特許情報(特許の名称、特許番号、関連請求項を含む);
(二)国務院の関連行政部門が収斂法に設けたプラットフォームに掲載した、出願登録された医薬品の情報(医薬品の名称、医薬品の種類、登録類別、出願登録医薬品と関係販売医薬品との対応関係等を含む);
(三)医薬品販売許可出願人は、収斂法に基づき行う4種類の申告とその根拠。
医薬品販売許可出願人は、第一審の抗弁期間内に、国家薬品評定局に申告した、関連特許権の保護範囲に属するか否かの判断に対応する必要な技術情報の写しを人民法院に提出しなければならない。
第四条 特許権者又は利害関係人が収斂法の定める期間内に人民法院に訴訟を提起しない場合、医薬品販売許可出願人は人民法院に訴訟を提起し、出願登録された医薬品が関連特許権の保護範囲に属さないことの確認を請求することができる。
第五条 当事者は、国務院特許行政部門が特許法第七十六条にいう行政裁決請求を受理したことを理由として、特許法第七十六条にいう訴訟を受理すべきではなく、又は訴訟の中止を請求するようと主張する場合、人民法院は支持しない。
第六条 当事者は特許法第七十六条の規定により訴訟を提起した後、国務院特許行政部門が関連特許権の無効請求を受理したことを理由として訴訟中止を請求する場合、人民法院は、原則として支持しない。
第七条 医薬品販売許可出願人が特許法第六十七条、第七十五条第二項等に規定される場合を有すると主張する場合、人民法院がそうであると審査すると、出願登録された医薬品の関連技術案が関連特許権保護範囲に属しないと確認することができる。
第八条 当事者は、訴訟において取得した商業秘密その他の守秘すべき商業情報について守秘義務を負い、当該訴訟の活動外で無許可で開示し、又は使用し、若しくは他人に使用させた場合、法律に基づき民事責任を負う。民事訴訟法第百十一条に規定される場合を構成する場合、人民法院は法律に基づいて処理しなければならない。
第九条 医薬品販売許可出願人が人民法院に提出した出願登録された医薬品の関連技術案は国家薬品評価機関に申告した技術情報と明らかに矛盾し、人民法院による審理を妨害する場合、人民法院は民事訴訟法第百十一条の規定に従って処理する。
第十条 特許権者または利害関係人が特許法第七十六条にいう訴訟において行為保全を請求し、医薬品販売許可出願人が関連特許権の有効期間内に特許法第十一条に規定する行為を行うことを禁止するようと請求する場合、人民法院は特許法、民事訴訟法の関連規定に基づいて処理し、医薬品販売出願行為または審査認可行為を禁止するようと請求する場合、人民法院は支持しない。
第十一条 同一の特許権及び出願登録医薬品に対する特許権侵害訴訟又は特許権不侵害確認訴訟において、当事者は、特許法第七十六条にいう訴訟の有効判決に基づき係る医薬品技術案が関連特許権の保護範囲に属するか否かを判断すると主張する場合、人民法院を原則として支持する。ただし、侵害医薬品の技術案が出願登録された医薬品の関連技術案とは一致しないと証明する証拠があり、又は新たに主張した事由が立証された場合を除く。
第十二条 特許権者又は利害関係人は、その主張する特許権が無効と宣告され、又は出願登録された医薬品の関連技術案が特許権の保護範囲に属しないことを知り、又は知るべきであるが、依然として特許法第七十六条にいう訴訟又は行政裁定請求を提起する場合、医薬品販売許可出願人は、北京知的財産権法院に損害賠償訴訟を提起することができる。
第十三条 人民法院は法律に従って当事者に国務院関連行政部門が収斂法が設定したプラットフォームに公表した連絡者、通信アドレス、電子メールアドレス等を送達する場合、有効な送達とみなす。当事者が人民法院に送達住所の確認書を提出した後、人民法院は当該確認書に記載された送達住所にも送達することができる。
第十四条 本規定は、2021年7月5日から施行する。法院が過去に公布した関連司法解釈が本規定と一致しない場合、本規定が優先する。