マドリッド商標国際登録実施弁法
中華人民共和国国家工商行政管理総局第7号令
「マドリッド商標国際登録実施弁法」は、中華人民共和国国家工商行政管理総局常務会議の審議を経て公布し、2003年6月1日より施行する。
局長 王衆孚
2003年4月17日
第一条 「中華人民共和国商標法実施条例」(以下「実施条例」と略称)第十二条の規定により、本規定を制定する。
2 実施条例第十二条に規定する商標の国際登録とは、「商標の国際登録に関するマドリッド協定」(以下「マドリッド協定」と略称)、「商標の国際登録に関するマドリッド協定についての議定書」(以下「マドリッド議定書」と略称)及び「商標の国際登録に関するマドリッド議定書・共通規則及び実施細則」(以下「共同実施細則」と略称)による商標の国際登録を言う。
第二条 本規定は中国を本国官庁とする商標国際登録出願、中国を領域指定とした出願またはその他関係する出願に適用する。
2 マドリッド以外のルートによる商標の国際登録については本規定を適用しない。出願人は商標代理組織、国外代表者、弁護士事務所、または外国にある子会社に委託して行うことができる。
第三条 中国を本国官庁として商標の国際登録出願する場合、中国に現実かつ真正の工業上もしくは商業上の営業所、または中国に住所を有し、または中国の国籍を持たなければならない。
第四条 本規定第三条に規定する商標国際登録出願人の資格を有し、その商標が国務院工商行政管理部門商標局(以下「商標局」と略称)において登録されている場合には、マドリッド協定に基づいて当該商標の国際登録を出願することができる。
2 本規定第三条に規定する商標国際登録出願人の資格を有し、その商標が商標局に出願されている場合には、マドリッド議定書に基づいて当該商標の国際登録を出願することができる。
第五条 商標の国際登録を出願する場合、商標局を通じて行わなければならない。
2 出願人またはその委託する商標代理組織は、直接商標局にて願書を提出することができるとともに、郵送によることもできる。
第六条 マドリッド協定に関係する商標の国際登録の事後指定、放棄、抹消などの手続きは商標局を通じて行う。マドリッド協定に関係する商標国際登録の譲渡、削減、登録者名義または住所変更、代理人名義または住所変更、更新などの手続きは商標局を通じて行うことができるとともに、直接世界知的所有権機関国際事務局(以下「国際事務局」と略称)にて行うこともできる。
2 マドリッド議定書に関係する商標国際登録の事後指定、譲渡、削減、放棄、抹消、登録者名義または住所変更、代理人名義または住所変更、更新などの手続きは商標局を通じて行うことができるとともに、直接世界知的所有権機関国際事務局(以下「国際事務局」と略称)にて行うこともできる。
3 商標局を通じて行う場合、出願人またはその委託する商標代理組織は直接商標局にて手続きすることができるとともに、郵送によることもできる。
4 直接国際事務局宛てに行う場合、出願人またはその委託する商標代理組織は、直接国際事務局にて手続きをすることができるとともに、郵送によることもできる。
第七条 商標局を通じて商標の国際出願またはその他の手続きを行う場合、国際事務局が提供した英語またはフランス語の書式により記入することができるとともに、商標局が制定した中国語書式により記入することもできる。ただし、商標局に翻訳料を支払わなければならない。
2 商標局を通じて商標の国際出願またはその他の手続きを行う場合、共同実施細則に規定する費用を納めるほか、商標局に手数料を支払わなければならない。
第八条 商標の国際登録の出願人が自然人である場合、その中国語氏名を明記しなければならない。出願人が法人またはその他の組織である場合、その中国語全称を明記しなければならない。
2 自然人、法人またはその他の組織は、対応する外国語訳名がある場合、その外国語訳名を記載することができる。外国語訳名がない場合、対応する中国語アルファベットを明記しなければならない。
第九条 出願人は商標国際登録出願書類に、詳細な住所(郵便住所と郵便番号を含む)、電場番号、ファックス番号などを明記しなければならない。
第十条 一つの商標国際登録出願は一区分の商品または役務を指定することができるとともに、二つまたは二つ以上の商品または役務を指定することもできる。
第十一条 商標の国際登録を出願する場合、出願人は以下の添付書類を提供しなければならない。
(一) 国内商標登録証の写し1部、または商標局が発出した商標登録出願の受理通知書の写し1部。
(二) 優先権を主張する場合には、当該優先権証明書一部。
(三) 出願人の資格証明1部、例えば営業許可書の写し、在住証明の写し、身分証明書の写し等。
(四) 代理人に委託する場合、代理人委託書1部。
(五) サイズは80mm×80mm越えず、かつ20mm×20mmを下回らない商標見本2部
第十二条 商標局が商標国際登録の出願書類を受領した日を出願日とする。
2 商標の国際登録出願が規定の通り記載されていない場合には、商標局は出願書類を返却し出願を認めない。
3 出願手続が基本的に完備され、但し補正を必要とする場合には、商標局は出願人又はその代理人に補正の通知をし、出願人又はその代理人は通知を受領した日より15日以内に補正しなければならない。商標局が郵送により当事者に補正通知を送達する場合には、当事者が補正通知を受け取った消印日を送達日とする。消印が明らかではなく又は消印が無い、または郵便局より返却された場合には、通知を発送した日より15日の満了をもって当事者に送達したものと見なす。期間内に補正しない場合には、出願権の放棄と見なし、商標局は出願人にその旨を書面で通知しなければならない。
3 商標局を通じて商標の国際登録出願またはその他の手続きを行い、規定の費用を納付する必要がある場合には、出願人は商標局の費用納付通知書を受領した日より15日以内に、商標局に関係費用を納付しなければならない。商標局が郵送により当事者に納付通知書を送達する場合には、当事者が納付通知を受け取った消印日を送達日とする。消印が明らかではなく又は消印が無い、または郵便局より返却された場合には、通知を発送した日より15日の満了をもって当事者に送達したものと見なす。期間内に納付しない場合には、出願権の放棄と見なし、商標局は出願人にその旨を書面で通知しなければならない。
第十三条 中国を領域指定した出願に対して、商標局がこれを拒絶したことを国際事務局に一度通知した際は、商標局は再び国際事務局に対して拒絶する旨を通知しない。
第十四条 世界知的所有権機関が「国際商標公告」を出版した翌月1日より3月以内に、いかなる者も当該公告に掲載された中国を領域指定とする出願に対して、商標局に異議申し立てすることができる。
2 一件の異議申し立ては、一区分の商品または役務を指定することができるとともに、二つまたは二つ以上の商品または役務を指定することもできる。
3 異議申立人が異議申し立てを取下げた場合、商標局はその異議手続きを終止し、書面により当事者に通知する。
第十五条 中国を領域指定とする団体商標若しくは証明商標の出願人は、当該商標が世界知的所有権機関国際事務局の国際登録原簿に登録された日から3月以内に、商標代理組織を通じ、関係規定に従って商標局に主体資格証明、商標使用管理規定、及びその他の証明書類を送付しなければならない。
2 前項の3月以内に主体資格証明、商標使用管理規定、及びその他の証明書類を送付しなかった場合には、商標局は当該団体商標または証明商標の領域指定を拒絶する。
第十六条 権利の譲渡人が規定に従って出願人とともに譲渡申請しなかった場合、商標局は国際登録出願人に通知して補正させ、通知を受領した日から30日以内に補正しなければならない。期間内に補正しない場合には、商標局は当該譲渡の記録は効力を有しないことを決定し、その旨を国際事務局に通知する。当事者は商標局の決定に不服がある場合、商標局の通知を受け取った日から30日以内に人民法院に訴訟を提起することができる。期間内に訴訟を提起しなかった場合、商標局の決定は効力を発生し、発効日は商標局が決定した日とする。
2 削減の内容が、中国の商品又は役務の分類に一致しない場合、商標局は当該削減の内容は効力を有しないと決定し、その旨を国際事務局に通知する。当事者は商標局の決定に不服がある場合、商標局の通知を受け取った日から30日以内に人民法院に訴訟を提起することができる。期間内に訴訟を提起しなかった場合、商標局の決定は効力を発生し、発効日は商標局が決定した日とする。
第十七条 他人に中国国内での国際登録商標の使用を許諾する場合、商標法及びその実施条例の規定に従わなければならない。
第十八条 中国を指定領域とした出願を、国際登録により中国で既に登録されている商標と代替する場合、その国際登録された商標は既登録商標に影響を与えない。
2 商標局の登録原簿に、国際登録された商標を代替要求する場合、商標代理組織を通じて行い、規定に従って費用を納付しなければならない。
第十九条 既に中国で保護を受けている国際登録商標が、商標法第四十一条に規定した状況がある場合、商標権者または利害関係人またはその他の人はそれぞれの状況に従い、商標評審委員会に異議申し立て又は取消申請することができる。その申請は当該商標が中国における拒絶期間満了後に提出するものとする。
第二十条 中国での保護を指定した国際登録商標は、その商標の拒絶期間満了後、商標代理組織に委託し、当該商標が中国で保護を受けていることを示す証明書類の発行を商標局に申請することができる。
第二十一条 本規定は、2003年6月1日より施行する。1996年5月24日国家工商行政管理局が公布した「マドリッド商標国際登録実施弁法」は同時に廃止する。